永住許可の審査期間はどれくらい?時間が長くなる理由と短縮するコツ

はじめに
「永住はだいたい半年くらいで出るって聞いたのに、1年たってもまだ連絡がない……」——2025年に入ってから、こうしたご相談がはっきりと増えています。
理由はとてもシンプルで、入管が対外的に公表している標準処理期間(4〜6か月)と、現在の実務で実際にかかっている期間(1年以上)とのあいだに、明らかなギャップが生まれているからです。
そこで本記事では、最新の公開情報と2025年時点での実際の受理状況を踏まえて、「なぜ永住の審査が長くなっているのか?」「どうすればムダに長くならずに済むのか?」を分かりやすくご説明します。
公表の標準処理期間
出入国在留管理庁(入管庁)の公式ページでは、永住許可申請の標準処理期間は「4か月~6か月」とされています。これは今もサイト上に明記されています。
また、現在は入管庁が毎月「在留審査処理期間」を公表しており、一覧表で最新の各在留資格ごとの平均的な審査日数を確認できるようになっています。
出入国在留管理庁:在留審査処理期間
2025年4月~7月の永住申請の在留審査処理期間
| 日付 | 処理日数 | 
| 2025年4月 | 313.8 | 
| 2025年5月 | 268.5 | 
| 2025年6月 | 277.5 | 
| 2025年7月 | 321.3 | 
実際は1年前後〜1年半のケースが増えている
実務で実際にどれくらい時間がかかっているのかというと、2025年に公開されている事例や入管実務のまとめを見るかぎり、いちばん時間がかかっているのは東京入管局です。
東京入管局に永住許可申請を提出した場合、提出書類自体に特段の不備がなくても、審査には少なくとも10〜16か月程度を要するのが一般的です。書類に不備がある場合や追加資料の提出を求められた場合には、審査期間が1年半〜2年に及ぶ例も少なくありません。
一方で、神戸・名古屋・福岡などの地方出入国在留管理局に永住許可申請をする場合は、おおむね6〜10か月程度で結果が出ることが多く、外国人の申請件数が比較的少ない地域ではさらに短期間で審査が終わることもあります。このように、申請先の地域によって審査にかかる期間にはかなり明確な差があります。
- 入管庁が公表している標準処理期間:4〜6か月(現時点では変更なし)
 - 一部の地方入管局:6〜10か月程度
 - 東京入管局:おおむね10〜16か月、長い場合は18〜24か月(申請が集中している時期や、審査が厳しめに運用されている時期など)
 
審査時間が長くなる理由
申請人が増えているから
コロナ禍以降、「日本で長く安定して暮らしたい」「できるだけ早く永住を取りたい」という外国人が明らかに増えており、特に東京・大阪などの大都市では申請が集中しています。
審査を担当する職員の数には限りがあるため、申請件数が増えれば1件あたりに割ける時間はどうしても少なくなり、結果として全体の審査期間が長くなることになります。
審査が厳しくなっているから
現在の永住許可申請では、以前と比べて、申請人の日本での在留状況、収入の安定性、税金の納付状況、年金・健康保険への加入状況などをより細かく確認するようになっています。さらに、転職などの在留状況に変化があった際に、入管への届出を期限内に行っているかどうかといった点も審査対象になります。
こうしたように確認する項目が増え、審査がより厳密になっているため、その分審査にかかる時間も長くなる傾向にあります。
追加書類が出たときに審査が止まりやすいから
提出書類に不備があったり、審査官が確認したい点がある場合には、申請人あてに追加資料の提出が求められます。この「追加書類の依頼」が一度でも入ると、その分だけ審査が後ろにずれやすく、1〜3か月程度延びてしまうこともあります。
そのため、最初に提出する書類が不十分だったり、説明が足りなかったりすると、それだけで全体の審査期間が長くなってしまう可能性が高くなります。
収入が不安定な人が増えているから
いまは働き方が多様化しているため、ある年だけ収入が極端に低かったり、年ごとの収入に大きな波があるケースが珍しくありません。こうした場合、入管側としては「なぜその年だけ下がったのか?」「今後も日本で安定して生活できるのか?」を確認する必要があるため、追加で説明資料や収入を示す書類の提出を求めることが多くなります。
事情が複雑になればなるほど確認すべきポイントも増えますので、収入が不安定なケースの永住申請は、どうしても審査期間が長くなる傾向があります。
審査時間が長くなる典型パターン
次のようなケースは、ほぼ確実に審査時間が長くなります。
- 課税(所得)証明書・納税証明書・社会保険の記録に未納や抜けている年度がある/年度がそろっていない
 - 入管が「家族全体の状況」を見たいのに、本人分しか提出していない
 - 扶養している家族が多いのに、収入を裏付ける資料が少ない
 - 在留中に違反歴がある、または交通違反が複数回ある
 - 引っ越しや転職が多いのに、その理由や経緯の説明がない
 - 転職・引っ越しなどで年によって収入に大きな変動があるのに、その根拠となる資料を出していない
 - 入管局からの追加資料の求めに対して提出が遅れた
 - 東京入管局で申請している(もともと案件数が多い)
 
審査をできるだけ早くするためのポイント
「こうしておけば必ず早くなる」とまでは言えませんが、少なくとも“自分の準備不足が原因で余計に時間が延びる”のは防ぐことができます。
最初の申請で書類を「ほぼ完璧」にそろえる
入管がよく追加で求める書類(課税・納税証明、社会保険の加入状況、家族分の資料、在職証明など)を、最初からできるだけ一式で提出しておくと、その後に「追加資料のお願い」が来る可能性を大きく下げられます。
追加資料が1回入るだけで1〜3か月延びることもあるので、最初の書類の精度がとても大事です。
説明が必要になりそうな状況は最初から理由書を付ける
転職回数が多い/ある年だけ収入が低い/扶養家族が多い/海外在住の両親も扶養している――といったケースは、入管が必ず理由を確認したがります。
申請と一緒に「理由書」や「収入変動の説明書」など書類を添付しておけば、審査官が状況を掴みやすくなり、審査が前に進みやすくなるうえ、許可率の向上にもつながります。
入管からの追加資料の依頼にはすぐ対応する
追加提出が1〜2週間遅れただけで、その月の審査に乗らず、翌月以降に回されてしまうことがあります。入管から連絡が来たら、できるだけ早く出すことが審査期間を短くする一番わかりやすい方法です。
永住申請後はできるだけ仕事や身分関係の変更をしない
永住申請の審査中に何かの変動があった場合は、その都度入管への届出が必要になります。
たとえば審査中に転職した場合には、変更届出だけでなく、新しい勤務先でも現在の在留資格で働けることを証明するために「就労資格証明書」の提出を求められることがあります。また、審査中にお子さんが生まれるなど家族構成が変わると、扶養関係や年収が要件を満たしているかをあらためて確認されます。
こうした再確認が入ると、そのぶん審査が後ろにずれるため、申請後はできるだけ状況を動かさないほうが無難です。
専門家に事前チェックを依頼する
永住申請サービスを扱っている行政書士であれば、「この内容だと追加資料が来そう」、「この説明では足りない」、「ここは理由書を付けたほうがいい」といったポイントを申請前に潰すことができます。
最初の提出書類の完成度を上げることで、結果的に審査期間を短くできる可能性が高まります。
まとめ
現在の永住許可の審査期間は、特に東京のように申請件数が集中している地域では、10〜16か月、場合によっては1年半〜2年かかることもあり、これは決して珍しいことではありません。
永住が一度許可されれば、その後の日本での生活はぐっと楽になります。だからこそ、最初の申請でどれだけ整った書類を一括で提出できるかが非常に重要です。準備の段階で少しでも不安がある場合は、行政書士に依頼しておくと、申請の効率も許可の可能性も高めやすくなります。
AGS行政書士法人では、永住申請・在留資格申請・帰化申請を取り扱っており、最新の審査の傾向を踏まえて必要書類を整理し、説明が必要な部分も事前に整えてから提出できるようサポートしています。これにより、追加資料の提出や不要な待ち時間をできるだけ少なくすることができます。
自分でそろえるのは大変そう、できるだけ審査を長引かせたくないという方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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